SNSの広告等に書かれている「これからは動画編集者ではなくて動画プロデューサーの時代」と言うのは間違ってはいません。ビジネスとして考えるなら、プロデューサーを目指した方がよいでしょう。ただ、それが楽しい仕事かどうかは分かりません。あと、プロデューサーと聞くとすごい仕事の様な気もしますが、Youtube等の動画制作プロデューサーと呼ばれている人の中には、TV局等のプロデューサーとは全く異なる仕事をしている人もいますので、肩書きに憧れて目指すとひどい目にあいます。まあ、動画制作プロデューサーをできる人なら、一般企業でも営業とかプロジェクトマネージャーとして大成すると思いますので、転職先に動画制作プロデューサーを目指すのは、止めた方が良いかと…。
さて、ここで本題の副業に動画編集者を選んではいけない話についてしたいと思います。
動画の仕事ですが、撮影から編集までするのであれば、それなりに儲けることができるはずです。ただ、Youtuberの番組編集等の仕事を考えているならこの事は知っておいてください。
コンビニでバイトした方が時給は高いです。
よく副業紹介サイトなどで、Youtubeの動画編集者を募集していますが、よく見て下さい。「最初は1本500円でお試し（トライアル）」とか平気で書いてあります。「将来的には1本あたり3,000円も可能」とかも書かれていますが、今時コンビニでバイトしても3時間あれば、そのくらいは稼げます。では、動画1本を3時間で制作できるのかと言えば、内容次第ですがかなり難しいと思います。
私は、以前ケーブルTVの15分番組制作していましたが、企画を考えるのに1日、撮影に1日、編集に2～3日かけていました。この仕事量をお金で換算するなら、10万円くらいになります。
実際のところ、ディレクターやプロデューサーから細かな指示がでることもあるでしょう。ただ、彼らも多くの編集者をかかえているので、ほとんどの場合そこまでのことはしません。15分の番組にキャプションだけ入れる仕事だとしても、最低でも1時間～2時間くらいはかかると思います。しかもそれだけではありません。必ず見直して、ずれが無いか、誤字・脱字がないか確認が必要です。フルテロップであるなら、2,3回見直した時点で1時間追加です。さらにさらに、ディレクターから修正の指示が入ります（これがあるので実質拘束されている様なものです）。これを修正し、さらに見直して提出すると、はい、もう4時間程度です。しかも、これはあくまでのキャプションを入れるだけの場合であり、実際はもっと複雑です。慣れてきても、半日から1日はかかるのではないでしょうか？
それで、たったの3,000円です。
しかも連絡が取れることが必須なので、別のことができません。
子育て世代だと、どうしても自宅から出ることができずこういった仕事を選ばざるをえない人もいるでしょうが、正直言って内職と変わりありません。クリエーターだとか、将来有望だとか言われますが、使い捨ての小間使いです。そして、そこである程度の成果を出したとしても、その先に行けるのはごく一部の人になります。何故なら、撮影をしていないから。
確かに世の中には編集だけでも成り立つ仕事はあります。ブライダルのオープニングムービーやサプライズムービー等を作る仕事です。
実は、これらのムービーは、企業にお願いしても15,000円くらいから作成してくれます。これには、理由がありまして、こういった企業さんは、多くの素晴らしいテンプレートを持っています。その写真を入れ替えるだけで、見た目がよいムービーが作れるわけです。多分、1時間に1,2本はできてしまうのでしょう。それであれば、低価格でも数をこなすことができますので、仕事として成り立ちます。Youtubeの編集に幻滅した人が次にたどり着くのはこの仕事です。が、ものすごく競争が激しい仕事でもあります。私も、副業紹介サイト等で、案件に応募していますが、いまだ契約できたためしがありません。ウケそうなテンプレートをたくさん作り、ポートフォリオとして見せるようにしないと難しいでしょうね。
と言うことで、Youtubeの仕事をするにしろ、他の仕事をするにしろ、副業で編集者を選択するとバカを見ます。素直に、普通のバイトを探しましょう。無論、グレーディングやCG制作、アニメ制作等の高度な編集ができる方は別ですよ。
クリエーター等と言うちょっとかっこよい言葉に憧れるより、地道な道を選びましょう。
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